メタバースを肌で感じる  ー日常使いできるスマートテキスタイルへの期待ー

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ひとびとがデジタル空間に慣れてくればくるほど、現実の世界との一体感をもたらしてくれるツールがほしくなる。触覚のような、人の本質的な感覚を通してインタラクティブな方法を構築しようと技術者たちはさまざまなアプローチを検討している。

ウェアラブル技術に関しては、フィットネストラッカーやスマートウォッチが注目を集めているが、スマートテキスタイルは別の意味でわたしたちとデジタル世界をつなげてくれる。現実の素材が感覚との付き合い方をドラスティックに変えてくれるかもしれない。e-テキスタイルとスマート衣料の市場規模は、2030年までに140億ドルに達する見込みだ。

スマートテキスタイルは、テクノロジー産業によって長い間開発・研究されてきたが、ここへきてようやく実用化への道が開けてきた。スマートスピーカーやVRウェアラブルなどのIoTデバイスが一般に受け入れられ、広く使われるようになったのもその背景にある。しかし、なによりもメタバースへの期待値の高さが大きな推進力になっている。仮想空間で長時間、より自然に快適に過ごせる新しいインターフェースやスマートサーフェスが求められ、同時にそれを導入・実験する場も整ってきた。

グラフェン、カーボンナノチューブ、ナノワイヤーなどの素材は、センサーやその他の電子部品を衣服に組み込んでモニタリングやフィードバックを行うことを可能にし、ユーザーにとってより快適なインタラクションを実現してくれる。

Alex Shuper

米国で登場した、Google Jacquard x Levi’sのデニムジャケットは、生地の内側にタッチセンサー式のリモコンを搭載している。着用することでデジタルアプリケーションに接続でき、旅行中は旅をナビゲートもしてくれるだろう。H&M Lab Germany’s Wearable Loveは、デニムジャケットを通して、大切なひとに「タッチ」の感覚とともに愛を送ることができる。

ソフトな肌触りと着け心地のスマートテキスタイル、「LEAD SKIN」によるARハプティックグローブは、日本のAI Silk’sの導電性天然シルク繊維が使用されている。メタバース空間のオブジェクトに「触れる」ことで触覚フィードバックが得られ、没入感を味わうことのできる製品である。

MITは、体温、心拍、呼吸などの身体データを収集できる、柔らかく伸縮性のあるe-テキスタイルを使ったスーツを開発した。このテキスタイルは通常の衣服のマスプロダクションとパターンを作るプロセスを用いてカスタマイズすることが可能である。

Deepmind on Unsplash

日常使いできるスマートテキスタイルを提供する

触覚もデジタル世界をよりリアルにしてくれる、あるいは物理的な世界とつないでより豊かな経験をもたらしてくれる重要な要素になる。メタバースへの関心が高まる中、スムーズでシームレスな体験を提供するスマートテキスタイルに注目が集まっているが、その普及のためには、洗濯のしやすさや快適性といった使い勝手を意識することがポイントになるだろう。

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