デジタルツインはフィジカル世界のブースター ―デジタルツインが教えてくれる「現実はもはやひとつではない」という現実ー

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多くの人がメタバース的な世界を体感していくにつれて、現実は複数あるという感覚を受け入れ、シームレスなマルチリアリティ体験への期待が高まる

今後、AIやラピッドプロトタイピング、感覚技術が進化し、創造という領域の可能性が広がる。フィジタルクリエイターがぞくぞくと登場して、より拡張され、パーソナライズされた体験が感覚を高めてくれるだろう。また、ウェアラブル技術によって、ARを通じて物理的な世界にエンターテイメントや生産性に特化した情報を重ね合わせてみることができるようにもなる。

digital twinsとは、物理的な資産、人、システムをダイナミックに進化させた仮想空間での表現で、パフォーマンスをデジタル的にモデル化することで、非効率的な部分を特定したり、物理的な問題を改善するための解決策を設計したりできる。このポテンシャルへの期待から、デジタルツイン技術への投資は、2026年までに40億ドル以上に達すると推定される。このテクノロジーによって、デザインから都市計画、健康といった幅広い分野で新しい可能性が切り開かれるだろう。また、我々のテクノロジーとの関わり方に新たな局面が生まれ、ものの形状を捉える感覚は刺激され、果ては現実やアイデンティティの捉え方も一変するかもしれない。

今日、デザイナーはデジタルツインがもたらすクリエイティブ分野への大きな効果を活かして、物理的な空間にメタ体験を組み込み始めている。アーティストのDaniel Arshamは、メタバース企業Everyrealmとコラボレーションし、現実の舞台上でバーチャルなインスタレーションを制作した。家具・彫刻・デザイン・オブジェなどの物理的な作品と、アーティストのHAZEが制作した鏡のような無限空間を融合させたものである。プロジェクションマッピングとタイムベースのデジタルアニメーションをつなぎ合わせ、物理的な要素を取り囲むような、バーチャルなインタラクションを実現し、観客は現実と同時にメタバースに存在する、という体験に浸ることができた。

政府のような国の機関もデジタルツインの概念を取り入れ始めている。昨年、Tuvaluの外務大臣であるSimon Kofe氏は、海面上昇で水没の危機に瀕している太平洋の小国であるツバルが生き残るために、自国のデジタル版を構築する計画があると発言している。ツバルの歴史と文化を守るため、島・海・ランドマーク・工芸品などをデジタル世界に再現することを目指している。

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デジタルツインがフィジカルな存在をもパワーアップしてくれる

生活の中のさまざまなシチュエーションで物理的世界とデジタルの世界は絡まってくるだろう。デザイナーやクリエイターは、両領域においてどのように豊かな体験が実現できるか、デジタルツイン技術の可能性を探究し続けることになる。いずれの世界においても、実感をもって存在する、という感覚を手に入れることができれば、フィジカルとバーチャルの両世界は融け合い、そこに関わるひとびと全員に恩恵をもたらすことができるはずだ。

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